本日の作業 バリとり

リペア 大阪店

<本日の作業> バリとり
”バリ”とはフィンガーボードの両端からフレットが飛び出る症状を言います。”なんかフレットひっかかるなー”、”ネック触ったらなんか痛いなー”と感じた経験があるプレイヤーさんも多いかと。
これは木の収縮が原因だと考えられます。特に冬場、乾燥時期になると、木が収縮します(逆に湿気が多いと水分を吸い込み膨張します)。収縮するといっても定規で計測できないほどの数値なので見た目にはまず分かりません。しかし人間の指先の感覚は、顕微鏡レベルの変化も敏感に感じ取ってしまうのです。
フィンガーボード(木)とフレット(金属)は全く性質の違う物。乾燥時期にフィンガーボードが収縮してもフレットは当然そのままの状態をキープします。だって金属だから。結果フレットの両端がフレットから飛び出てしまいます。厳密に言うと、フレットが飛び出たのではなくてフィンガーボードが小さくなっただけですが。
暖かく湿気のある季節まで待つと戻る場合もあるのですが、戻らない事もあります。
そんな場合は、削ってしまいます。同時にフレットサイドのクリーニングにもなり、すっきりします。症状によっては、フレットサイドを丸める処理なんかをプラスすれば、見違えるほどに左手のプレイヤビリティが向上します。ギターは、まさに生き物、植物、生命を感じる道具、だと思います。
ドルフィンギターズ リペア担当 木曽