本日の作業 マーティンのピックガード浮き補修

リペア 大阪店

マーティンのピックガードは1960年代の半ばごろより、それまでの鼈甲柄のセルロイド製からブラックのアセテート製に変更されます。同時にロングサドル→ショートサドル、Tバーロッド→SQロッドにも変更されます。この一連の流れは工場拡張移転に伴うマイナーチェンジだと思われます。
で、このアセテート製のピックガードはよく変形します。中にはストーブの上の”スルメイカ”のような状態になるものもあり、ここまで来ると流石に新しいものに交換となります。アセテートはセルロイドよりも湿気の影響を受けやすいのかな?とも思われます。
軽微なものは、オリジナル度を尊重するため、接着剤を流し込んで現状維持のリペアとなります。そんな少々厄介なピックガードですが、この時代のものは、塗装の下にピックガードがある為、ボディとの一体感があり抜群にカッコ良いのです。通称”塗り込みピックガード”です。そんなことで1980年代の半ば頃に廃止されるんですが、今となっては希少なデティールです。
後世にも残したい。ドルフィンギターズ リペア担当 木曽