KEYSTONE (西 恵介)

DESCRIPTION

東京小平市に工房を構える個人製作家 西 恵介主宰のKeystone Stringed Instruments。トップクラスの技術、芸術性、研ぎ澄まされたサウンドで今や世界で活躍するのルシアーです。
本器は神代杉 x 本紫檀を使用した特別作品。12Fジョイント・ダブルオーカッタウェイのJujube with Cutaway。
【サウンドメッセin大阪 2024出展作品】

トップ：神代杉
サイド＆バック：本紫檀
ネック：ヴィンテージマホガニー
指板：中南米ローズウッド
ブリッジ：中南米ローズウッド
ペグ：ゴトー510
その他：3Dウッド＆アバロンロゼッタ、ローズウッドバインディング、アバロンパーフリング、44.5mmナット幅、645mmスケール

見るからにただものではないオーラを放つ芸術性の高いこれぞショウモデルです。
使われている木材にはそれぞれストーリーがあり、そのどれもが大変貴重なものです。自身が木材愛好家でもある西氏ならではの選定でしょう。
先ず神秘的な色味のトップ、神代杉。神代杉の産地として有名なあの"鳥海山"から出たものです。約2500年前、秋田県と山形県に跨る東北の名山"鳥海山"の大規模な崩落がありました。それにより太古の巨木が多く埋没し、悠久の時を経て木質を変化させながら現代まで今もどこかで静かに眠っております。その中にはインフラ工事などで発掘される物が有り、こうしてギターとなって生まれ変わり響き出す、なんともロマンのあるお話です。
サイドバックにはギター材としてほぼ見ることのない本紫檀。唐木三大銘木の一つであり、熱帯アジアの大陸部のみに自生します。年数や色味によって商取引上、新渡・中渡・古渡と分類され、こちらは一番古い古渡材となります。非常に密度が高く高質な唐木です。
そしてネック材、ヴィンテージマホガニー（仏陀マホガニー）と呼ぶこれは確証がないため口伝による情報としてお届けいたします。その昔、日本の僧侶が布教活動のためホンジュラスに渡りました。活動を終え、帰国後にお寺を建立する際、ホンジュラス政府が御礼にと素晴らしいマホガニー材を寄進し、柱になりました。その一部は材木商に流通し、代々この話を受け継いできたとのことです。
それぞれの材が持つストーリーからなのか、全体から放たれる雰囲気は東洋的です。新潟のインレイ職人、Ogawa Inlay Craftによるシンプルで繊細な指板ポジションも、木材の話を聞いた後に見ると、どこか蓮のようにも見え、心が静かに安らぐ印象です。
Keystonとしては珍しく、ボディ＆ロゼッタはアバロントリムで飾られ、落ち着きのある全体のトーンのなかにキラリと光るコントラストの効いた演出が憎いです。
見た目の凄さにしばし心を奪われますが、いざ弾くとその実力にさらに驚かされます。神代杉は経年により水分や油分が抜け、見た目に反してライトな質感になり、サラッと爪弾くと軽やかに反応してくれます。それを支える硬質なボディの紫檀材により、輪郭ははっきりと感じ取れ、甘く透明度の高いサウンドです。12Fジョイントならではのディープな響きも持ち合わせており、ボディのサイズ感を超える音圧、存在感です。
スペシャルな要素がたくさん詰まった特別作品をぜひご覧ください。

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